精液の色は、白・透明・黄色・赤など、バラエティに富んでいます。
この記事では、精液の色が示すサインをまとめます。
白、透明、黄色、赤…精液の色は何のサインなのか?
精液の色は、基本的には白色です。
しかし、その日の体調によっても変わってきます。
- 透明
- 黄色
- 赤や茶色
精液の色に、どういう意味が込もっているのでしょうか?
白:精液の基本の色
精液の中に、精子はたったの1~5%しか含まれません。
精子以外は、精しょうという、50種類もの物質です。
つまり、精液のほとんどは精しょうです。
精しょうは前立腺と精のうから分泌され、前立腺液(白色)から影響を受けて白くなります。
射精したばかりの精子は、どうしても白が目立つ
前立腺液以外の成分は、透明です。
射精したばかりの精液が白色なのは、前立腺液と透明の部分がまだ混ざり合っていないからです。
「ここは白、ここは透明」とはっきり分かれており、白が際立つようになっています。
精液の白のもと「前立腺液」とは?
前立腺液とは、前立腺の内壁から分泌される液体で、弱アルカリ性です。
精液の成分のうち、3割を占めます。
精子を死なせないためのクエン酸が多く含まれます。
精子のニオイは前立腺液の影響
精液がイカ臭いのも前立腺液の影響で、前立腺液には、スペルミンという物質が含まれます。
スペルミンは、「栗の花の匂い」と言われ、これが前立腺液のニオイです。
透明:これも精液の基本色
精液が透明だと、「オレには精子がないのではっ!?」 と、心配する人がいます。
しかし、早まる必要はありません。
精液が透明でも、変ではないからです。
前述の通り、精液の白さは、
精子によるものでななく、前立腺液によるものです。
精子に色はありません。透明の精液にも精子はいます。
そもそも精液は、時間が経つと透明になるもの
精液は、時間が経つと、白色部分と透明部分が混ざり合います。
そして、全体的に透明に見えるようになります。
昨晩使ったコンドームが、翌朝、透明になっているのはそのためです。
時間が経つと水っぽくもなる
精液は、外に出されて10分経つと、透明で水っぽくなってしまう性質があります。
精液が発射されてすぐ、粘り気のあるうちは、女性の子宮や膣内から、精液が溢れ出すのを防ぎます。
その後サラッとした状態になることで、精子が運動しやすくなります。
黄色:要観察の色
黄色っぽい精液は、気にしなくても良い場合と、気をつけた方が良い場合があります。
- 精嚢液の影響で黄色っぽいのか(気にしなくても良い)
- 膿精液症の影響で黄色っぽいのか(気をつけた方が良い)
見極めが必要です。
気にしなくて良い場合
体質で黄色っぽい人は、精液が黄色でも、気にしなくてOKです。
例えば、長時間射精がないことで、精液が黄色っぽくなる場合があります。
射精が長時間ないとどうして黄色っぽくなるのか?
精液には、精嚢液が含まれます。
精嚢液は黄色っぽいです。
精嚢液は、長時間射精がないと、精液に多く溜まっていきます。
精液に精嚢液が多く溜まれば、その分精液の黄色成分が多くなります。
その結果、精液が黄色っぽくなります。
精液が変に黄色っぽい場合は要注意
膿が混ざったような色や、ある日突然、黄色くなった場合は要注意。
膿精液症かもしれません。
膿精液症とは、精液内に白血球が多く混入してしまう病気です。
精液1ml中に、白血球が10万以上確認されれば、膿精液症です。
膿精液症になると、白血球の影響で精子の運動率が悪くなってしまいます。
精子の運動率が悪くなると、精子無力症(男性不妊症)になってしまいます。
精液内に白血球が入ることは基本的にはない
精液内に、白血球が侵入することは基本的にはありません。
しかし、なんらかの原因で感染症が起こった時に、精液内へ白血球が侵入してしまいます。
なぜなら、感染症が起こると、白血球は自己免疫機能のため精液内で戦闘態勢に入るからです。
戦闘態勢の白血球は、精子の運動を邪魔します。
膿精液症は早めの治療が大切
膿精液症は、不妊症に繋がります。
なので、早めに治療しないといけません。
感染症自体は、健康な人なら、自然治癒の可能性があります。
しかし、感染症の種類によって重篤な症状を引き起こす可能性もあります。
例えば、精巣までの器官が炎症を起こしていると、完治するまでに時間がかかります。
ちょっとでも「怪しいな」と思ったら、病院へ行きましょう!
膿精液症は基本的には薬物療法で治療する
膿精液症の治療は薬物療法で、1~2週間ほどで膿精液症の改善が期待できます。
炎症の原因となっている菌を除去するため、抗生物質を使用します。
膿精液症が改善すると、精子内の白血球の数は元通りになります。
クラジミア感染症だった場合は例外パターン
膿精液症の原因がクラミジア感染症だった場合は、上記の薬物療法パターンに当てはまりません。
クラジミア感染症の経路は、セックスでの感染が濃厚で、病気を再発しないようにすることを優先すべきです。
誰それ構わずセックスすることは避けましょう。
クラミジア感染症の場合は、痛みや違和感がある
クラミジア感染症になると、初期症状として、オシッコの際に痛みや違和感が出ます。
症状が悪化すると、精巣が炎症し発熱してしまうかもしれません。
クラミジア感染症は、たとえ膿精液症の症状がなくても、不妊に大きな影響を与えます。
早めの治療を受けるべきです。
パートナーも感染してしまっている場合が高く、ふたり揃って病院へ行べきです。
赤や茶色:基本的に深刻ではない色です
精液が赤や茶色の精液っぽくなるのは、(基本的には)血液が混ざっている証拠です。
ちょっとした炎症の場合が多く、そのような場合は大きな問題ではありません。
しかし、赤や茶色の状態が長く続いたり、痛みがある場合は、泌尿器科へ行くべきです。
血液が混ざっているかも
精液に血液が入って赤くなった状態を、血精液症と呼び、ほとんどの場合は、精嚢か前立腺に、何らかの病原菌が侵入して起きた炎症です。
まれに、精子の通り道になる部分での、腫瘍や膿疱、結石状態の表れである場合があります。
精子の通り道の例 精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺など |
血精液症は40代以降の男性に多い
血精液症状は、痛みのない場合がほとんどです。
たまにしか見かけない程度であれば、問題ありません。
しかし、ごくまれに前立腺に結石や、精嚢腺がんなどの重篤な障害が原因で出血している場合があります。
血精液症が長く続く場合は、精密検査を受ける方が良いでしょう。
泌尿器科での血精液症への対応
泌尿器科では、下記のチェックを行います。
- 精巣など外陰部の診察
- 前立腺や精嚢の触診
- 尿や精液の採取
- 血液検査
- 超音波診断による膀胱や腎臓の異常の有無
検査の結果が良くないとどうなるか?
検査により、どこかに異常があると分かれば、さらに詳しい検査が行われます。
精子の通り道に、傷や炎症、精嚢、前立腺炎が存在していれば、
抗生物質と抗炎症作用のある薬を1~3ヶ月、飲み続けることになります。
精液に血が混ざった状態でセックスしても、大きな問題はないようです。
ただし、感染症やウイルスを持っていれば、移ってしまうのでよくありません。
治るまでセックスを控えましょう!
また、検査をしても原因が特定できなければ、「突発性血精液症」と診断されるかもです。
その場合には、治療しません。
2~3週間様子を見ると、症状が消えることがあります。
精液が赤い状態でもセックスしたくなるものなのでしょうか?
メンタル強すぎじゃないですか
精液の色がおかしいなと思った時の検査キットが売っています
「精液の色がなんか変だ。でも病院へ行く時間が取れない。恥ずかしい」という男性のために、精液成分の検査キットが販売されています。
ネットで申し込んで、郵送で検査をけられます。
1ヶ月以内には返事をもらえます。
ぜひともご活用ください。
最後に
精液の色について見てきました。
いつもは白い精液が、変な色だとビックリします。
しかし、精液の色には特徴があります。
まずは、精液をよく観察しましょう。
マズいと思ったら病院へ行きましょう!