反鼻(はんぴ)は昔から、炎症対策の薬などとして使われてきました。
今では、滋養強壮剤に含まれますが、どこまで滋養強壮効果があるのかはわかりません。
滋養強壮や、精力アップを目的にするのであれば、漢方精力剤の方が効率的です。
この記事では、反鼻とはなにか?掘り下げていきます。
反鼻とは?反鼻の特徴をあれこれまとめます
反鼻とは、天然のマムシの皮を剥いで、内臓を取り除いたものです。
もう少し細かい説明を加えると、天然のマムシを捕まえた後に加熱処理をし、天日乾燥し、皮と内臓を取り除き、粉末にしたものです。
反鼻は古くから、炎症を治すための薬としてや、放心状態を改善するための薬として知られてきました。
今では滋養強壮剤や精力増強剤に含まれます。
数多くのマムシドリンクに、反鼻チンキや反鼻エキスという名で配合されています。
鼻が反り返っていることが名前の由来
和漢薬百科図巻には、鼻が反り返っていることから「反鼻」と名付けられたと書かれています。
当時の小学生や中学生に、反鼻というあだ名を付けられていた子がいるかもしれません。
元々はマムシではなくアオハブが使われていた
日本では、反鼻の材料としてマムシが使われています。
しかし、本来は中国大陸にすむアオハブ(タイリクハブ)や、それに近い縁種の蛇が、材料として使用されていました。
アオヘビなどの蛇は、鼻先が短く上に反り返っていおり、「反鼻」と命名されました。
今の時代では反鼻はマムシドリンクに使われがち
マムシドリンクの成分を確認すると、反鼻が含まれていることがあります。
マムシドリンクによく使われている反鼻チンキや反鼻エキスは、反鼻をアルコールに漬けて、成分を抽出したものです。
ある薬局の店主は、「尿管結石にいいらしいという理由で買っていく人が多い」と話していました。
反鼻の効果
反鼻は現在では、滋養・強壮剤として使われます。
元々は、ハンセン病や腫れ物、心因性の腹痛を癒すためのものでした。
蝮蛇肉は酒に醸して用いれば,癩疾,諸瘻,心腹痛を療じ,結気を下し,蟲毒を除く
『名医別録』より
反鼻はまた、痔を治すことでも知られています。
五痔,腸風瀉血を治す
『薬性論』より
伯州散という処方が有名
伯州散(はくしゅうさん)は、反鼻の黒焼きを配合した処方です。
伯州散は、反鼻,津蟹,鹿角(雌鹿のツノ)を別々に黒焼きにし,細末にしたものを等量混和したものです。
慢性的な化膿性の炎症や、切り傷に処方されます。
交感丹料という処方も有名
交感丹料(こうかんたんしょう)は、失心や健忘のときに用いられます。
健忘症やうつ病などによる放心状態には茯苓(ぶくりょう)や香附子(こうぶし)と配合します。
反鼻の作り方
ハンピの作り方は、冒頭で述べたとおり、天然の赤マムシを捕まえた後に加熱処理をし、天日乾燥し、皮と内臓を取り除き、粉末にします。
しかし、生きたマムシをそのまま調理する方法も取られています。(マムシ酒)
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蝮蛇1匹を生きたまま器に入れ,度数の高い酒1斗を注ぎ,馬が排尿する場所に埋める。1年後に取り出すと,酒の味は残っているが蛇は溶けている。
『本草拾遺』より
「1升ほども服用せぬうちに,体が軽くなる」とのことです。
最後に
反鼻とは何かを掘り下げました。
反鼻に興味のある方は、是非ともチャレンジしてみてください。